語学学校というものの中身を知らなければ、学校を選ぶ作業はできません。留学準備の第一歩は、語学学校の仕組みを知ることです。
語学学校とは
- 現地では ESLschool と呼ばれており、ESL とは「English as a Second Language」のことです。すなわち、母国語としてではなく、第二言語として英語を教える学校を指します。
- 学校を大きく分けると私立校と大学付属の公立校の2つがあります。
- 私立校は主に会話力を身につけることを目的としています。
- 大学付属の公立校は主に大学へ進学するためのアカデミックな英語の習得が目的です。
- 語学学校では ESL の他にビジネス英語やボランティア活動、IELTSやTOEFL などの試験対策と様々なコースも併設されています。
- 私立も公立も教師やプログラムの質に差はありません。どちらも質が高いです。
標準的なESLプログラム
- コース
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- パートタイム:9:00-12:00 の午前中のみ
- フルタイム:9:00-15:00 が一般的です。
- レベル分け
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- 初日にレベル分けのテストが行なわれます。
- レベルは入門から上級まで通常6~10段階ほどあり、自分のレベルにあったクラスに振り分けられます。
- クラスの人数
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- 1クラス平均8~12名で最大14 名が一般的です。
- 国籍比率
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- 地域、学校、季節によって全く異なりますが目安としては、アジア3割、南米3割、中東2割、欧州1割、その他1割です。
- 学校によっては国籍が偏らないように30%程度の国籍制限を設けています。
- 授業内容
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- 午前は総合英語、午後は選択科目という学校が多いです。
- 総合英語は「読む、書く、聞く、話す、文法、語彙」をバランスよく学びます。
- 選択科目は、自分に必要なスキルを専門に学びます。
これが等身大の語学学校
文法や発音の正確さを求めない、求めることはとにかく英語を話すこと、これが語学学校
授業スタイル
- 授業は生徒同士での討論(会話)が中心、先生と直接会話をする機会はわずかです。
- 余ほどのことがない限り、文法や発音などの間違いをその場で指摘されることはありません。
- 他の生徒の話ばかり聞いていると注意されます。求められることは、とにかく話すことです。
日本人留学生の傾向
- 日本人は文法、語彙力など総合的な英語の知識はありますが、話すことが苦手です。
- 他国、特に南米からの留学生の英語力はお世辞にも高いとは言えませんが、そんなことを全く気にせず、とにかくしゃべるの が大得意です。
- 入学当初、日本人はその光景に自分の英語力が劣っていると錯覚し、一時落ち込む方が多いのも事実です。
- 日本人が劣っているのは、話すことだけです。
学校(グループレッスン)の役割
- 英語上達の上で、間違っても良いからとにかく話すという学校の授業スタイルは、とても重要です。
- 特に話すことが苦手な日本人は、学校で苦手意識を克服することが重要です。
学校の学習等で不足するもの
- 先生1名に対して、生徒約12名ですから、ネイティブスピーカーとの会話時間が非常に少ないのが現実です。
- 個別面談がおろそかな学校では、自分に欠けているスキルが何か分からなく、伸び悩む生徒も少なくありません。
優良校と呼ばれる学校の取組み
- 定期的に上達度を測るテストを行い、個人面談などを通して伸びた点、弱点などを伝えるとともに今後の勉強方法を指導します。
- 生徒が学習上の悩みなど抱えたときはいつでも相談できる体制を取っています。
- 英語に直接結びつくアクティビティやワークショップ(会話クラブ、質疑応答コーナー、言語交換など)も積極的に取り入れて実施しています。
- 放課後空いた先生が格安でマンツーマンレッスンを実施する学校もあります。
生徒の自助努力
- 漫然と語学学校へ通っているだけでは英語は決して上達しません。
- 学校以外でもできるだけネイティブと実践的な会話ができる機会を作る自助努力が必要です。
- そういった意味で一番身近なホームステイが重要なのは明らかです。
その他の必須知識
日本人比率をどう考えるか
- 日本人比率が学校全体で 10%未満の場合
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- 学校の規模にもよりますがクラスに日本人が多くて一人、いないクラスもあるくらいです。
- 日本語を耳にすることはまずありませんし、放課後日本人同士で群れることもできません。
- 使える言語は英語のみ。申し分のない英語環境といえます。
- 日本人比率が学校全体で30%程度の場合
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- 日本人は初級から中級レベルに集中する傾向があります。
- 学校全体の比率が 30%であっても中級のクラスは 90%が日本人ということは現地では当たり前です。
- このことは春休み期間のバンクーバーで顕著に表れます。(世界の新学期は9月なので)
- 学校内は母国語禁止といえども、日本語を耳にすることは否めません。
- 放課後、日本人同士で遊ぶとなると日本で英語を学んでいる環境とさほど変わらないことになります。
- お伝えしたいこと
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- やはり英語環境という観点からは日本人比率が少ない学校の方が好ましいといえます。
- だからと言って日本人比率に対し、あまり神経質になる必要はありません。
- 極端な状況下は避け、日本人同士で群れないというスタンスが適切ではないでしょうか。
学校自体の質をどう図るか
- カナダには Languages Canada という協会があります。
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- Languages Canadaの定める厳しい基準のもと認可された語学学校の授業並びに講師陣等の質は、協会によって保証されていま
す。 - もちろん完璧な評価基準にはなりえませんが、選ぶ際の重要な要素にはなります。
- 万が一、学校が破産・閉校になっても生徒が救済されるのもポイントです。
- Languages Canadaの定める厳しい基準のもと認可された語学学校の授業並びに講師陣等の質は、協会によって保証されていま
レベル数をどう捉えるか
レベル分けが細かいほどよいという単純なものではありません。
- レベル分けの仕組み
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- カナダでは個人の英語レベルを判断する際はIELTSという検定試験のスコアを用います。
- IELTSのスコアは0~9までを0.5刻みで表しますが、ほとんどの学校ではこのIELTSのスコアごとにレベル分けをしています。
- つまりIELTSのスコア0.5の上達で1レベル上がることができるわけです。
- 上達にはもちろん個人差はありますが、学校では12週間(3か月)でスコアが0.5相当上がるよう精一杯取り組んでいます。
- 評判校だからもっと短い期間でスコアを0.5上げることができるわけではありません。
- お伝えしたいこと
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- 個人差はあっても上達のスピードはどこの学校でも3か月でIELTSのスコア0.5相当です。
- 8レベルの学校と12レベルの学校があったとしても違いは「より上級とより下級のレベル:下表のA3-A4とB1-B2」を開講しているかどうかの差だけです。
- ただし、田舎で4レベル程度の学校の場合は、自分に合ったレベルでレッスンが受けられるかどうかを事前に確認する必要があります。
- 効果の面からも午前は自己レベル相当のクラスで学び、午後は1つ上のレベルのクラスと合同で学ぶ学校も多いです。
- 上記のことからも単純にレベル数が多ければ良いというものではないことが理解できると思います。
- 12レベルの例
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レベル IELTSスコア A4(上級) 7.5-9.0 A3 7.0-7.5 A2 6.5-7.0 A1 5.5-6.0 I4(中級) 5.0 I3 4.5 I2 4.0 I1 3.5 B4(初級) 3.0 B3 2.0-2.5 B2 1.0-1.5 B1 0.0-1.0
日本人カウンセラーの有無をどう捉えるか
- 多くの語学学校には日本人カウンセラーが常駐して、学業の悩みなどのサポートを行っています。
- 電力・ガス会社等への電話の代行や病院へのつき添いなど本業以外のサポートにも可能な限り応対してくれる心強い味方でもあります。
- ほとんどの留学生は初級・中級レベルですので、日本人スタッフが常駐する学校を選ぶことが賢明です。
- 一方、日本人スタッフ等の勤続年数で学校全体を評価することもできます。
- 1、2年でスタッフが変わる学校は、最終的には閉校や身売りとなる傾向にあります。逆に10年以上変わらないところは、すべての面においてしっかりしています。
- 弊社ではスタッフの入れ替わりが頻繁な学校は、調査の上、代理店契約を止めるなど適切な措置を取っています。
学校規模にも目を向けてください
学校の規模は通常、大中小で分類されており、次のような特徴があります。
- 大規模校
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- 全校生徒が 300 名以上で、国籍もバラエティーに富んでおり、コースも豊富なのが大きな特徴です。
- 人数が多いのであまりアットホームな雰囲気とは言えないのが実情です。
- 中規模校
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- 全校生徒が 100~300 名程度で、国籍のバラエティーさやコースの豊富さも大規模校と大きな差はありません。
- 学校では生徒一人ひとりに目が行き届くよう、あえて生徒数を押さえているところもあり、アットホームな雰囲気です。
- 小規模校
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- 全校生徒が 100 名以下と少なく、学校全体が一つの家族のようにアットホームなのが大きな特徴です。
- 全校生徒が少ないため、レベル分けが少なく、閑散期には初級コースが開講されないことや、一部の選択科目しか開講されな いという側面もあります。
- 団体が入ると国籍が極端に偏ることもあります。
無料トライアルレッスンをどう捉えるか
- 文字通り、体験してから学校を決めるためのものです。
- 「百聞は一見に如かず」ですが過信は禁物です。下記の点について留意する必要があります。
- 留意事項
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- 初級レベルの方が現地で1、2時間程度のレッスンを受けて、適切に判断できる項目は限られます。
- 分かることは学校内の施設や雰囲気程度ではないでしょうか。
- 滞在先にも慣れ、学校を見る目も肥えてきた段階で、空いた時間に参加するというのは大変お勧めです。