活気あふれる人種のモザイク都市
トロントはカナダ東部オンタリオ州の州都であり、カナダ最大の経済・文化・スポーツの中心都市です。
19世紀半ばの鉄道建設とともに市は急速に発展し、その後、世界各地から多くの人々が集まり、移民国家カナダを象徴するような多民族都市が形成されました。
人種が多彩であれば文化も多彩。その象徴として都市の中にはそれぞれが独自の特色を持った地区、例えばチャイナタウンやリトルイタリー、金融街などのネイバーフッド(Neighbourhood)と呼ばれるエリアが140ほどあり、トロントはネイバーフッドの街としても有名です。
大都市ながら治安がよく、街は清潔で人々の生活水準も高いため「世界で最も住みやすい都市」のランキングで度々上位に選ばれています。
語学学校をはじめ、職能訓練校、大学・カレッジなどの教育機関もたくさんあり、質の高さも相まって、人気の留学都市となっています。
目次
市内の語学学校
公立校
» ●Toronto Metropolitan University
私立校
» ●Access International English Language Centre
» ●CanPacific College of Business & English
» ●Centre of English Studies Toronto
» ●Canadian Language Learning College
» ●Connect International School
» ●EF
» ●International Gateway Language Academy & College
» ●International Language Academy of Canada
» ●Language Studies International
» ●OHC
» ●Royal Canadian Institute of International Studies
» ●Sprott Shaw Language College
» ●St. George International College
» ●Tamwood International College
都市情報:トロント
- カナダ東部オンタリオ州の州都であり、カナダ最大の経済・文化の中心都市です。
- 五大湖の一つオンタリオ湖岸の北西に位置し、湖を挟んで対岸はニューヨーク州に接しています。
- 都市圏人口は約600万人で多彩な人種が共存していることから「人種のモザイク」とも呼ばれています。
知っておきたいミニ歴史
- 1615年フランスのエティエンヌ・ブリュレが先住民族と同盟を結ぶために現在のオンタリオ州に初めて入植し、ヒューロン族とともに生活をしたとされています。
- その後フランスはオンタリオ湖岸に交易所を点在させ、先住民族との毛皮交易を盛んに行っていました。
- 先住民には不幸な歴史もあり1630年には欧州からもたらされた天然痘でヒューロン族の6割が死亡し、その後イロコイ同盟に襲撃され、ほぼ全滅したとされています。
- 英仏の植民地抗争が激しくなる中、1754年にフレンチ・インディアン戦争が始まると、オンタリオ湖岸の交易所も戦場となりましたが、戦後はイギリスの勝利により英国領ケベック植民地となり、オンタリオ湖岸の北部(現在のトロント周辺)では先住民が引き続き狩りや漁を生業に居住していました。
- 1775年アメリカ独立戦争が始まると多数の英国王党派がケベック植民地に流入しましたが、フランス系定住地を避けオンタリオ湖岸の北部に入植を始めたため、1787年にはミシサガ族から入植地としての土地を購入しました。これがトロントの礎です。
- その後1791年にケベック植民地はアッパーカナダ(英系)とローワーカナダ(仏系)に分割され、1793年にはアッパーカナダ初代副総督ジョン・グレイブス・シムコー(写真)がオンタリオ湖岸の北部の入植地の上に町を作り、ヨークと名付けアッパーカナダの首都としました。
- 1813年には米英戦争で一時アメリカに占領されましたが、最終的にはカナダ攻略は失敗に終わり、講和条約でアメリカとの国境線が定められました。
- 1834年にはヨークからトロントへ名称が変更され市制がスタートされました。
- 1841年の連合カナダ植民地(ローワーカナダとの再統合)を経て、1867年のカナダ連邦結成で現在のオンタリオ州とケベック州が誕生し、トロントはオンタリオ州の州都となりました。
町の見どころ
- CN Tower
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- トロントのスカイラインを象徴する高さ553mのCNタワーは旅行者なら必ず訪れるという観光名所です。
- ガラス張りのエレベーターは僅か1分で展望台へ到着、ここからオンタリオ湖や街並みが一望できます。
- 展望台の1階下はグラス・フロアと呼ばれるガラス張りのフロアで、足がすくむほどスリリングです。
- 356m部分には世界で最も高い遊歩道のエッジウォークがありハンズフリーウォークが楽しめます。
- 447m部分にある展望台 スカイ・ポッドは2008年までは世界で一番高い展望台でした。
- Toronto Blue Jays
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- 1977年に創設されたカナダ唯一のMLBの球団です。
- 1992年から2年連続ワールドチャンピオンに輝きましたが、それ以降はポストシーズンから遠のいています。
- ホームグラウンドはロジャーズ・センターで世界初の開閉式ドーム型の多目的スタジアムです。
- トロント・ブルージェイズという球団名は、オンタリオ州の鳥ブルージェイ(青カケス)から来ています。
- トロントではアイスホッケー、バスケット、フットボールといった北米のプロスポーツが観戦できます。
- Toronto Islands
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- オンタリオ湖に浮かぶトロント市民のオアシス的な島でダウンタウンからフェリーで13分のところにあります。
- トロント島の長さは約5㎞で15の島からでできていますが、橋などで繋がっていますので、島内を歩いて渡ることができます。
- 美しいビーチでのスイミング、レンタルでのサイクリングやカヌーイング、カヤッキング、芝生でのピクニック&BBQ、いろいろな乗り物があるアミューズメントパークなど様々なアクティビティを楽しむことができます。
- また、レストランやカフェ、ビアバーなども充実しています。
- 島内の150年続く魅力的なコミュニティーには今でも600人がコテージで暮らしています。
- St. Lawrence Market
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- 1803年から200年以上トロント市民の台所として賑わってきた市営のセント・ローレンス・マーケットはネイバーフッドの象徴でもあります。
- 通りをはさんでサウスとノースに分かれており、サウス・マーケットのレンガ造りの建物は初代の市庁舎を改築したもので、2階建てのフロアには野菜や肉・魚など地元でとれた新鮮な食材をはじめ、オーガニック食材の専門店、ベーカリーなどが並び、各国の料理を楽しめるお店も豊富です。(店舗数は約120店)
- また、サウスの2階にはマーケットギャラリーがあり歴史を学ぶこともできます。
- 屋外のノース・マーケットでは、毎週土曜日は近隣の農家が集まるファーマーズ・マーケットが、毎週日曜日にはアンティーク・マーケットが開催され多くの市民で賑わいます。
- Niagara Falls
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- ナイアガラの滝はエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川にあるカナダ滝とアメリカ滝及びブライダルベール滝の3つの滝で、カナダのオンタリオ州とアメリカのニューヨーク州とを分ける国境になっています。
- 最古のアトラクション遊覧船 霧の乙女号は1846年から観光客を乗せてアメリカ、カナダの両岸から滝つぼまでの間を往来しています。
- カナダ側には滝の近くに花壇のきれいなクイーン・ビクトリア公園や2つの展望タワーがあります。
- また、眼下にカナダ滝を見ることができるテーブルロック(岩の展望デッキ)やカナダ滝の裏側を眺めることができるジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズも必見です。
- 少し下流にはナイアガラ川が流れを変える所にワールプールと呼ばれる激しい渦巻が発生し、こちらも見逃せない観光ポイントです。
- トロントからの所要時間はGreyhound(長距離バス)で約2時間です。
気候
平均最高気温 | 平均最低気温 | |
---|---|---|
春:4月 | 12.2°C | 1.9°C |
夏:7月 | 27.1°C | 15.8°C |
秋:10月 | 14.3°C | 4.6°C |
冬:1月 | -1.5°C | -9.4°C |
- 4月には気温は二ケタになり雪は完全に消え、5月は草花も開花し、公園や庭園は花の香りで一杯になります。
- トロントニアンが「パティオシーズン」と呼ぶ6月から8月までの夏は気温が20~30°Cとなり、レストランのパティオや湖のビーチは市民で賑わいます。
- 9月末から美しい紅葉の季節となりますが、11月に入ると急に気温が下がり霜が降りることもあります。
- 12月から3月までの冬は、寒い日には-10°C程まで下がり、体感気温が-30°Cになることもあります。街中ではアイススケートが楽しめます。
時差
標準時で日本よりも14時間遅く、サマータイム期間(毎年3月の第2日曜から11月の最初の日曜まで)では13時間遅くなります。
日本時間 | 現地時間 | |
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標準時 | 9:00 a.m. | 7:00 p.m. |
サマータイム | 9:00 a.m. | 8:00 p.m. |
公共交通機関
通学
- 市内はTTCによりバスと地下鉄及び路面電車が運行されています。
- 路線は豊富で通学にも大変便利です。
- 郊外からは市内を結ぶ通勤・通学の足としてGO Transitによりバスと鉄道が運行されています。
- 南はハミルトン、北はシムコーまで足を運ぶことができます。
遠出の観光等
- 鉄道
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- カナダ大陸横断鉄道で有名なVIA Rail Canadaが走っています。
- 発着はダウンタウンにあるユニオン駅ですので、とても便利です。
- 滞在期間中、オタワやモントリオール、ケベックシティなどへの車窓を楽しみながらの小旅行もお勧めです。
- また、ユニオン駅からはニューヨーク(ペン駅)行きのAmtrakも走っています。
- 所要時間は10~12時間です。
- バス
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- トロントと他の都市を結ぶ長距離バスの拠点はダウンタウンにあるトロント・コーチ・ステーションです。
- ナイアガラ・フォールズを始めモントリオール、遠くはハリファックス行きのバスなどがGreyhoundにより運行されています。
- また、アメリカ・ニューヨークやフィラデルフィア行きのバスもmegabusやGreyhoundによりここから運行されています。
- 所要時間はニューヨークまでが10-12時間、フィラデルフィアまでは12-14時間です。
日本からのアクセス
- 空の玄関口はトロント・ピアソン国際空港です。
- 日本からは直行便が運航されています。
- アメリカまたはアジア経由で直接トロントに入ることもできます。
» ●詳細を見る
留学カウンセラーの目
バンクーバー同様、交通・買い物・娯楽など生活をする上での利便性は最高で、質の高い語学学校や専門学校も豊富ですが、アジア系移民が特に多いということはなく、人種のモザイクと言われるだけあってより多種多彩です。また、アミューズメントに関してもバンクーバーよりも刺激的です。
田舎や小都市の留学のように、学校で学んだことを簡単にネイティブスピーカー相手に実践できるという環境ではありません。
単純に英語を学ぶということだけを考えた場合、英語環境が良いところとは言い難いのです。トロントが憧れの都市だとすれば、200㎞離れたロンドンに留学し、週末トロントに遊びに行くというのが一般論としては賢明です。
刺激を求めて選ぶのではなく、留学の目的やご自身の適性も見極めて選んでほしいところです。勉強と遊びをきちんと両立でき、自分に適した英語環境を自らの手で作り上げることができる方には最高の留学先ではないでしょうか。